薄茶一服茶事 於 茅ヶ崎 松籟庵 令和五年十一月二十三日

紅葉が散りゆく中、来日した大学の同窓を薄茶一服の茶事にお招きいたしました。海外の方には、茶室や茶の作法は驚くことばかりのようです。

お軸は「松無古今色」を掛けました。松は年月が経ち古葉若葉が入れ替れども翠一色、世は平等であると示しています。つながる対句は「竹有上下節」です。竹は上下に節があり、世には歴然たる区別や違いが存在することを示しています。違う国に生まれ、違う環境に生き、それでも変わらぬ友情で結ばれて再会を果たすことができた喜びを表しました。

お点前は硯屏です。硯屏は硯の前に置き塵が入るのを防ぐ、小さな衝立です。文具を好んだ遠州公らしいお点前です。

お菓子は「栗入り小鹿」(北鎌倉 松花堂)をご用意いたしました。